いけばなで感性を磨く #9 静けさの中で花と向き合う時間
2025-10-08
左から吾亦紅、檜扇、鶏頭...

左から吾亦紅、檜扇、鶏頭

主枝の長さを計測中

主枝の長さを計測中

客枝の鶏頭を生けています...

客枝の鶏頭を生けています

そろそろ、終盤に

そろそろ、終盤に

床の間に飾りました

床の間に飾りました

少しだけ手直しをした作品と一緒...

少しだけ手直しをした作品と一緒に撮影

9月中旬、「いけばなで感性を磨く」プログラムを開催しました。

今回ご参加いただいたのは、小学生に書道を教えている女性の方。ご自宅の玄関にはいつも花を飾っているそうで、お花が大好きとのこと。ただ、いけばなは初めての体験ということで、少し緊張しながらも、ワクワクした気持ちで臨まれていました。
 
まずは、いけばなの歴史や美学についてご紹介。
 
書道と華道——どちらも「道」を極める芸術であり、共通する精神性があります。参加者の方もそのつながりに深く共感されていました。
 
今回使用した花材は、秋を感じさせる3種類:
 
檜扇(ヒオウギ)
鶏頭(ケイトウ)
吾亦紅(ワレモコウ)

花材を見た瞬間、「秋らしくて、色合いがとても好きです」と笑顔で話されていたのが印象的でした。
 
いける工程では、まず主枝として檜扇を選び、花器とのバランスを見ながら高さを決定。
その後、客枝、中間枝と順に生けていきます。時折「正解が分からないわ」とつぶやかれていましたが、少しずつアドバイスを加えながら、丁寧に作品を仕上げていきました。
 
完成後は床の間で撮影。とても魅力的な作品でしたが、ご本人の希望で少しだけ手直しを。鶏頭の角度を手前にし、右側の檜扇を1本切り取ったことで、全体の印象がぐっと引き締まりました。
 
「手直しの前と後では、印象がずいぶん違いますね!華道の“引き算”の美学が分かりました」と、感動された様子でした。
 
参加者の感想
「初めてのいけばな体験。
ただ生けるだけでなく、歴史や流派、形の意味などを教えていただき、理解した上で生けることができました。
形や角度など、思った以上に決まりごとがあることに驚きましたが、アドバイスをいただきながら納得のいく作品ができました。
「引き算の美学」、少し分かったような気がします。
花材も私の好みにぴったりで、花器も素敵だったので、購入できるならそのまま持ち帰りたかったです。
普段はテレビや音楽など音のある空間で過ごすことが多いですが、静かな空間で花と向き合う時間はとても癒されました。
書道との共通点も感じられて、また癒されに来たいと思います!」
 
静けさの中で、花と向き合う時間。
いけばなは、ただ美しく生けるだけでなく、自分自身と向き合うひとときでもあります。
次回も、感性を磨く時間をご一緒できることを楽しみにしています。
 
代田美紀
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ホームページはこちら
銀座コーチングスクール GCS認定プロフェッショナルコーチ
ACC


株式会社KMTプランニング代表取締役
企業向けコーチングや研修を提供
技術職を経てコーチング事業を展開
華道の師範でもあり、日本文化体験も実施
機械工学修士